サステナビリティ倶楽部レポート

[第58号] メコン河流域: 環境問題が引き起こす人権問題

2016年02月29日

 ●東南アジアに恵みをもたらすメコン河環境問題によって地域住民の生活が脅かされれば、住んでいる人の権利が侵害される。自然環境が大事だといっても、被害の相手が何も言わない「自然」であれば問題を指摘するインパクトが弱い。同じ問題でも人間生活への被害が大きければ、住民の立場から深刻な社会問題として捉えられ、さらには経済問題に発展していく。環境問題と人権問題はそれぞれ別の分野として考えられがちだ...

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[第57号] リスクマネジメントとしてのNGOとの対話

2016年01月25日

 ●法務・コンプライアンスの観点から人権リスクをとらえる先日「グローバルビジネスと日本企業の発想ギャップ」をテーマにした座談会に参加し、それがNBL(New Business Law)誌1月1日号に新春特集として掲載された。これは法務・コンプライアンス担当向けの企画で、NBLはこの分野の専門誌だ。 内容は新興国市場での人権リスクとその対応なのだが、CSRのアプローチでなくリスク...

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[第56号] 2015年のレビュー: 長期ビジョンに向けたイニ...

2015年12月24日

 ●「あるべき姿」への道筋に世界が合意12月12日にCOP21の会議でパリ協定が採択され、全世界が温室効果ガスの排出ゼロに向けて前進することになった。現状を考えれば、「化石燃料の全廃なぞできるわけない」と思うだろうが、「できる範囲での目標」ではなくて「何を目指すべきかのあるべき姿」を重視した結果だ。 日本人は可能な目標を設定しそれを着実に達成することには長けているが、長期での大きなビジョンをもちそ...

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[第55号] 予防措置より救済措置を

2015年12月9日

 ● 人権侵害を起こしている日本企業の実状ステークホルダーやNGOとの恊働の必要性が、以前にも増して話されている。ところが懸念をもった利害関係者と実際に対話するとなると、会社側はまだまだ躊躇するのが現状だ。 そんななか、アジア諸国での日本企業の事業活動によって侵害を受けている利害関係者から直接その実状を聴く機会があった。いずれもNGOが主催するセミナーで、1回目はメコンウォッチ...

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[第54号] ビジネスと人権における弁護士の役割

2015年11月14日

 ●重要なプレイヤーである弁護士これまでのCSRの領域に比べて、ビジネスと人権の分野では重要なプレイヤーの一人が弁護士であることが特徴だ。そもそもジョン・ラギーは、この課題を法務的観点で企業経営に組み込み、企業弁護士の意識を喚起して実務のなかに落としていくことを狙ってきた。法曹界がリードをして、ハードロー(法規制)でなくソフトローで解決するというコンセプトで出来上がったのが国連指導原則(...

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