創ゾウ人~世界を視る、地球で感じる~

ヨーロッパの鉄道事情

2012年06月4日

都市部の日常的な交通渋滞は日本やアジアばかりかと思っていたら、ヨーロッパの主要都市でもあまり変わらない。先日訪れたアムステルダムの郊外では・・。

街の中心から少し外れたところに泊まり、さらに郊外の事業所に行くことになっており、タクシーの迎えが手配してありました。ロビーで待っていると、「交通状態が悪くてちょっと遅れるそうです」とホテルマンがメッセージを伝えに来る。しばらくして現れたタクシードライバー「やぁやぁすまないね。」といいながら、停めてある車に案内してくれる。

走り出してしばらく行くと、市内に向かう路線がずっと渋滞続き。
どこかで見た風景だなと思い返すと、そうだジャカルタの街中から郊外の工場団地に行く時の状況と変わりない。
ドライバー「こ〜んなに混んでいるんだからねぇ。十分早く出てきたのに、えらくかかってしまったよ。」
ワタシ「Oh!まだまだ続く。毎日こんなに混んでいるんですか?」
ド「そうだよ。街の中心に通勤する人ばかりだ。」
ワ「通勤だったら電車でいったらいいじゃないですか?こんなに混んでいたら時間ばかりかかって、電車の方が効率的では?」
ド「いやぁ、電車は近郊ならばいいけれど、少し離れたところにはあまり通っていなくて不便だしすぐ遅れるから、皆車で行きたがるよ。」
ふ〜んそんなもんかな、と釈然とせずに渋滞を眺めていたけれど・・・。

用事を済ませて次はブリュッセルに移動。大陸内では遠距離の列車網がわりとよくできているので、この距離だと陸路が手ごろ。街並みや田園風景の車窓を楽しみながら、小旅行気分で行けてそう悪くないと思い、駅に向かいました。

駅で切符を買う際に行き方を聞くと、特急でなくても乗り換え1回で十分行けると勧めるので、あえて特急を選ばずに急行の二等列車の切符を買う。まずロッテルダムまで行き、そこで急行列車に乗り換えるのだが・・。

指定のプラットホームで電車を待っていると、前の電車が5分ほど遅れて入ってきた。そうこうするうちに、私が乗る電車の時間が迫ってくる。どうなるのかと思っていると、アナウンスがあって同じ電車に乗るらしき人たちがゾロゾロ階段に向かう。オランダ語だからわからない。その後の英語で、隣りのホームに着くとわかり急いで移動。荷物大きいから隣りでも大変なのだ。

そして列車に乗ろうとしたら、ガ〜ン!どの車両も満席。ともかく乗り込んで、仕方なく窓側の通路にスーツケースを置いてその上に座る。ハァ〜。さらに車両にエアコンが効いていなくてどんどん蒸し暑くなってきた。さっきの列車はガラガラだったしエアコンもついていたのに・・。今までヨーロッパで混んだ列車に遭遇したことがなかった。あぁ一等にしておけばヨカッタ、と後悔。

もう我慢するしかないので何とか凌ごうと、窓の外を眺めて気を取り直す。ところが途中の何駅目かで停まると、何やかやとアナウンスがあり(またわからない)、乗客がみんな「おぉ〜〜」とため息ついて立ち上がり荷物を取り出した。この電車何やらトラブルで、ここで降りて乗り換えろということなんです。

わわっ、これがヨーロッパの鉄道事情なのか。アムステルダムの渋滞の理由が実感持って理解できてきた。

降りた乗客の流れについて行き、その先に停まっている列車に移動する。今度は座れたけれど、かなり古い車両でやはりエアコンなし。さらにアントワープ行きの各駅停車なので、時間がかかるうえもう一回乗り換えないといけない。あぁ特急列車にしておけばヨカッタ、と何回目かの後悔。

もうどうにでもなれ、ということでガタゴト揺られてようやくブリュッセルに到着したのでした。ニッポンの鉄道運営は素晴らしいです。

海野みづえ プロフィール

2020年4月より山梨県北杜市に在住。
それまでは企業向けのサステナビリティ経営アドバイザリーを展開。23年間経済と社会の接点の分野をビジネスの立場から取り組んできた。
この間自身の価値観を根本から転換していく意識が湧き上がり、生き方を変革(Transform)することが、サステナビリティの基本と感じる。

現在は自然と接する中で人間らしいライフスタイルを実践し、社会全体をホリスティックにとらえる眼をつちかっている。

創コンサルティング
https://www.sotech.co.jp/

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