創ゾウ人~世界を視る、地球で感じる~

渦中の北京で

2012年09月21日

反日デモが広がるなかの北京出張でした。

出発が17日だったので、その直前に外務省から出された渡航注意喚起を聞いて早々に予定を切り上げることにしました。週末には大使館前のデモ激化や日系スーパーや工場の破壊が報じられ、緊張が高まった中での出発。

北京に着いてみると、今回の会場は街中から大分離れたホテルで、このあたりは全く静か。到着した日に隣りのカルフールを見て回る余裕もありました。スーパーに行くと、その国の生活を垣間見ることができるのでおもしろい。

家電コーナーを見てみると、Haierだけでなくたくさんの中国ブランドらしき製品が並んでいて、そのなかにSHARPやPanasonicが埋もれている。売れるとなると、いろいろなメーカーが作り出すのが中国なのでしょう。銀行もローカル行がどんどんできているようで、ATMのコーナーも3〜4行の機械がならび、それが何か所かあって数の多さにビックリ!さすがお金には目ざとい中国だな、と思う。

さて、懸念の反日デモと街の状況。
昨日大使館前に行ってみたというイギリス人の会議参加者の話では、地下鉄から出てくるデモ参加者に公安の警察官がバナーを配っていたそう。デモ参加者が同じ旗で統一感もっているように見えるのはそんなウラがあるのか。反日デモがピークになった日の夜はホテルに公安当局が来て、日本人は外出しないようにとお達しがありましたが、そんな表向きのことするよりデモに肩入れするなぞやめてほしいと思った。

ともかくホテルにいる限りでは、被害を受ける心配はないです。今回私が参加しているCSR Asiaの会議は香港のイギリス系主催なのでヨーロッパ人の参加が多く、日本を敵視するような雰囲気は全くないです。そもそも日本からの参加など、考えるほどもないですし。

それでも私はパネルの講演者として話をするので、十分に警戒しておりまた。18日満州事変の日だったので、卵やペットボトルが飛んでくるかもしれないし、無礼な質問や叫びがぶつけられるかもしれない・・・。そんな時でも平然とものともせずに話し続けようと構えていたところ、結局そんな雰囲気なぞ微塵もなく、余計な心配をしてこちらから警戒するのもよくないな、程度でした。

滞在中には、政府の研究機関である中国社会科学院の環境センターとCSRセンターの研究員の方々とも意見交換。この状況下で、ドタキャンもありかと懸念していたところが、まったく問題なし。
IMG_0104_01私たちの仕事相手になる大学出の教養人は、一連の騒ぎは「あぁまたこんなこと」で全く気にしていないですから。今回の滞在はデモなどちょっとセンシティブだけど・・・、と前置きすると、
 「そんなの、大使館の周りだけだよ。はっはっは・・」
 「どうしようもない奴が騒ぎに乗ってわめいて、全く困ったものだ。すぐに終わるよ。」
確かに18日終わったら周辺の交通規制もなくなってました。

なおCSRセンターのサイトで、私たちの訪問を紹介してもらってます。「対未来的合作抱有希望」か。何となくわかる・・・。
http://e.weibo.com/2078441815/yCIB68Oso
領土問題をどう考えるかは平行線でしょうが、デモや暴動は別の話なのです。仕事や友好関係では騒動を気にすることはなく、むしろ行動を極度に差し控えるのはかえってよくない。

結論は「このようなことに惑わされることなく、やるべきことを普通にやる」です。
こんな状況下でお会いできたお二人の中国人研究者と、これからいい関係をつくっていけそうです。

海野みづえ プロフィール

2020年4月より山梨県北杜市に在住。
それまでは企業向けのサステナビリティ経営アドバイザリーを展開。23年間経済と社会の接点の分野をビジネスの立場から取り組んできた。
この間自身の価値観を根本から転換していく意識が湧き上がり、生き方を変革(Transform)することが、サステナビリティの基本と感じる。

現在は自然と接する中で人間らしいライフスタイルを実践し、社会全体をホリスティックにとらえる眼をつちかっている。

創コンサルティング
https://www.sotech.co.jp/

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