CSR倶楽部レポート
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CSR倶楽部レポート 第82号 2010年12月20日
「統合的レポーティングへの動き」
発行:(株)創コンサルティング
海野 みづえ ( info@sotech.co.jp )
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思うところがあって、肉類を控えています。全く受け付けなくなったというわけでは
なく、できれば食べないというくらいです。
そうやって食事を気にするようになり外食時に肉以外ものを食べようと思うと、随分
と選択範囲が狭まれてしまう。肉でないなら魚か、しかしマグロの捕りすぎも気に
なるからこちらも自主制限・・・と野菜しかなくなり。これではアレもコレもダメ
になるのでそこまではやめてますが。
続き>>http://www.sotech.co.jp/talk/vol69.html
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●財務+CSR=統合的レポーティング
環境報告書からはじまりCSR報告書で記載範囲が大きく広がり、さて余りある情報を
どのように報告したらいいのか・・・。これは世界中の報告書作成者皆さんの
悩みで、最近検討されているのが、財務報告との「統合的レポーティング
(Integrated Reporting)」だ。ヨーロッパ中心にこの動きが始まり、今はアメリカも
含めた検討が広がっている。One ReportingとかConnected Reportingなどと言う
こともある。
CSRサイドにいると、CSR報告を会社案内と一体化しようかと考えるケースもあるよう
だが、これはCSR報告を広報誌として考える話で日本的発想だ。もともと発行に熱心
なヨーロッパでは、サステナビリティ報告は企業のPRではなく「きちんと責任ある
行動をとっているのか」というステークホルダーからの監視要請に応えるための
開示手段の色合いが強い。
非財務要因が経営に重大な影響を及ぼすようになってきて、ステークホルダーだけで
なく投資家も企業に非財務開示を求めるようになり、投資家向けの財務報告に掲載
することが検討されている。投資家によるアクティビズムに馴染んでいない日本では
こういう動きがピンと来ないため、また海外から押しつけられる厄介者・・・扱いで
統合的レポーティングのイメージもマチマチのようだ。
●会計の世界=IFRSは原則ベースに
先日参加した「WICIシンポジム2010─統合的ビジネスレポーティングへの挑戦」は、
監査法人や証券関係者が中心の会議であり、CSR側からとはまた違った見方がある
ことが関心深かった。
日本の財務関係者のセッションでは国際会計基準(IFRS)に関わる討議が中心で、
非財務要因の部分では内部統制に関わるところまでといった感じだった。会計報告
のベースには規則主義と原則主義の2つのアプローチがあり、IFRSは後者をとって
いる。規則主義とは、開示情報を規定して統一した基準で開示する方式であり、
現行の会計基準はこちらだ。一方原則主義は、何を報告するかは企業自身が判断する
もので自社にとって財務上マテリアルな要因を報告するというものだ。
何をどのように報告するかが決められている規則ベースと違い、原則ベースでは企業
の裁量に委ねられる部分が大きくなる。「何をもってマテリアルなのか」という自社
の判断基準をしっかりもつことが第一で、それに基づいて説明することが求められる
のだ。開示内容を決めてくれればそれに従って報告します、ということをずっと
やってきた日本企業にはとてもやりにくいアプローチを要求されていることになる。
原則ベースになると、規制当局が作成する会計基準は薄いものになるが、実際の
企業報告では開示項目ごとに各社独自の注記が必要になり、結果かなり分厚い報告に
なるという。作業が増えるというよりも、そのたびに会社が「考え」なければならず、
これは思考プロセスの違いになる。
●報告様式ではなく、経営にESGを統合
統合的レポーティングのセッションでは、IIRC(International Integrated
Reporting Committee)の共同代表ドラックマン氏の講演でその考え方が報告された。
IIRCは今年8月にこの枠組みを検討する国際ネットワークとして発足したもので、
彼はイギリスでサステナビリティの観点から統合的レポーティングを推進する会計
グループの代表である。GRIや各国・地域の会計士協会、リーディング企業などが
加盟するなかで取りまとめ役になっている。
なお、GRIはG4として次の改定作業を始めることを発表しており、G4をこのIIRC
でも積極的に提案していくといっている。マルチステークホルダーのアプローチを
重視するGRIが、会計グループ主導でまとまっているIIRCのなかで枠組みを示して
いけるのだろうか。G4 の姿がほとんどみえない段階なので、IIRCに提案する
ベースとなるサステナビリティ報告のガイドラインに生まれ変われるのか、
ワタシにはちょっと疑問だ。
そこで統合的レポーティング。
CSR担当の皆さんはCSR報告書とアニュアル・レポートを1冊にしたものかと考える
ようだが、目指すスタイルはそうではない。
「統合」の意味するところは情報開示の様式を統合するというのではなく、
「経営戦略や事業活動のなかに非財務要因が組み込まれる(統合されている)」
ことだ。報告はその結果だ。ESG要因がステークホルダーだけでなく財務面で重要な
影響を及ぼすようなっている以上、経営のコアの課題なのであり戦略に当然反映
される。独立した非財務情報を財務情報と並べて開示するのはConnected Reporting
であり、これは統合への過渡的ステップだ。最終的には「非財務要因(ESG要因)
が統合された財務情報の報告」になっていくものだ。
財務に統合される以上、IFRSの枠組みに入っていくものになり、報告ベースも
今後は原則ベースが中心になっていくだろう。ヨーロッパでは既に環境・社会情報
の開示が制度化されているが、デンマークが原則ベース、フランスが規則ベース
とやり方はマチマチだ。今後の国際化の流れではデンマーク型を推奨する動きが
強く、日本企業のCSR報告も統合化を意識して原則ベースを考えながら策定する
ことが必要だ。
また、アニュアル・レポートに統合されることでCSR報告がなくなる、という考え方
もちょっと違う。ヨーロッパでは、統合化を進める企業が多い一方で、これだけでは
ステークホルダーに対して説明が不十分であるとして、依然としてサステナビリティ
報告を発行し続ける企業も多いのだ。また、統合的レポーティングに切り替えた企業
であっても、ステークホルダー向けに情報開示していくことの必要性は変わらず、
そこはウェブできめ細かく発信している。
●規定演技よりも自由演技への比重が大きく
まとめると、(財務報告に非財務要因を組み込む)統合的レポーティングは投資家・
会計サイドから財務報告の枠組みとして要請されるものなので、制度化の対象に
なる。制度化する以上、何をどの様式で、との議論と合意が必要になる。一方で
ステークホルダー向けの開示は制度化されないので、彼らにとってマテリアルと
考えれば今まで通りのサステナビリティ報告やステークホルダーごとの様々な
パンフレットなどを発行すればいい。
日本の場合は、義務化されているのがアニュアル・レポートでなく有価証券報告書
なのでそこが欧米のスタイルと異なる。そもそもアニュアル・レポートは原則ベース
だが有価証券報告書は規則ベースだ。時代の流れに適合できない枠組みに押し込め
ようとしても、根本的に無理があるのだ。IFRS時代そしてサステナビリティ時代の
報告には、「型にはめる有価証券報告書」という規定演技から「自分で説明する報告」
の自由演技の発想を加える必要がある。サステナビリティ要因は、自社の特徴を
発揮できる自由演技を促すいいきっかけになるとワタシは考えている。
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