CSR倶楽部レポート

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   CSR倶楽部レポート 第77号    2010年7月30日
     「海外拠点 ダイバーシティ経営の必要性」

     発行:(株)創コンサルティング
        海野 みづえ ( info@sotech.co.jp )

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楽天では社内の公用語を英語にするそうです。ユニクロも外国人の採用を増やし、そう
なれば社内での英語の使用が当然になってきます。日本製品が世界のいたるところで
浸透していることを考えれば、もっと社内のコミュニケーションでも英語が使われて
きて当たり前だったくらい。そもそもこんなことがニュースで話題になるなんてこと
自体が、チョット・・・ですね。
そういう私ですが、もとは英語コンプレックスの塊でした。英語できます、といって
差し支えないと思えるようになったのは40歳過ぎてからですからね。随分と遅い。
続き>>http://www.sotech.co.jp/talk/vol60.html

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● 工場内のコミュニケーションは永遠の課題
中国工場でのストライキについて、連日のメディアで取り上げは収まったようだ。
中国のどこでも起こっていることなのに、一連の報道では日本企業の工場が目立った。
日本のどこが悪いのだろうか、何か特別な理由があるのだろうか・・。
もちろん日中間の歴史的、政治的背景があるが、これを除いた経営上の観点で何が課題
なのか。

その後の対策として、下記のようなことが行われている。
 1)賃上げに応じる
 2)中国から他の新興国へのシフト
 3)日中社員間のコミュニケーションの促進
 4)中国の現地社員の採用

これまでも最低賃金は引き上げられており、もう安い賃金のままでは済まされないことを
皆承知している。そこで、中国沿岸部から別の地域へと操業を分散する対策が顕著だ。
縮小しても現工場を動かし続けることに変わりはない。違う場所で似たような問題を
起こさないためにも、今回の現場から学ぶことは必要だ。

最も指摘されていることは、工場内のコミュニケーションだ。では、欧米企業の中国工場
ではこのような問題が起こっていないのか?
欧米勢では、フォルクスワーゲンとGMが中国では強い。両者とも歴史が長く、独資工場で
なく中国との合弁企業として拠点を運営している。「我々の工場では現地社員も満足して
働いている」という記事を見かけたが、合弁のために工場の幹部まで現地化している度合い
が高いようだ。

自動車のような精密機器では日本と同等の品質保証と生産管理が必須で、それゆえにライン
を現地に任せきるということができないだろう。現場では綿密な管理と高い生産性を重視し、
外部委託できるものではないと考える。高度の品質を支えるために、労を惜しまずに働く
日本人の技術者魂を中国に移転することは難しそうだ。

もっとも働くことに関しては、最近は日本人よりも中国人の方が貪欲だ。重要なのは、
自分の名をはすためや儲けるための狩猟型と、ひとつひとつを確実に仕上げるという農耕型
の職人気質へのこだわりとの違いだ。この認識のずれが生産現場での期待がミスマッチに
なるので、中国の労働者はきちんと扱われていないと感じるし、中国人は信用できないと
日本人は思ってしまう。

日本の自動車産業の成功は系列経営で成り立ってきたが、これを海外のマスプロダクション
でも求めるのは難しい。新興国が力をもつグローバリゼーションで、日本が最も大事にして
きたこだわりをどうやって続けていけばいいのだろうか。

●会社全体のダイバーシティ意識を高める
解決の糸口は、さらに高い技術や品質追求ということではなく、ヒトのマネジメントにある。
それも日本人社員の質をあげて日本的なるものを世界に散らせるということではなく、世界
各国でその国の人たちとうまくやりその人材の持つ力を自社力につなげる、ということだ。

綿密な生産ラインを達成するために、日本から生産技術者が派遣され細かいところまで改善の
目を配る。技術者たちは「ともかく早く、いいものをつくれ!」と幹部から怒鳴られるなかで
育っていそうで、ラインの生産性が第一だ。また概して口下手で、このような方たちに工員
とのコミュニケーションまで求めるのは酷な話だろうう。今ここで問題になっているのは、
若い女工さんとのちょっとしたコミュニケーションの部分だ。もちろん、日本の工場が
コミュニケーションを怠っているということではない。

以前見学した工場では、若い工員の仕事以外での満足度を高めるために、QC活動の表彰を
やったり(優勝すると日本に行ける)、年1~2回遠足に連れて行ったりしていた。また、
工員は高卒で地方から出てくるので都会の共同生活についての習慣がないため、たとえば
勤務後の時間の過ごし方や一人暮らしでの悩み相談などの研修をすることも大事だという。
「社内でのコミュニケーション」と簡単にいうが、今回のような雪崩ストライキの原因は
このような日常の感情的な不満が根にあったりする。有能な技術者がやるような話では
ないので、早くその辺は現地の人間に任せた方がいい。

そもそも「いい製品をつくることを通して仕事へのモチベーションや意欲がわき、会社に
愛着が持てる」という考え方が、日本と同じように万国で共感を得るわけではない。前出
の工場で、通訳として働いていた中国人社員が中国人の一般的な労働感覚について言って
いた。
 「中国人にとって働くっていうことはともかくおカネをもらうことだけなんです。
 長く働いて技能つけてといわれるより、今働いた分をすぐほしい。教育とか研修とか
 いわれても『一体何?』っていう感じで理解しにくいです。」
この社員は5年ほど日系企業に勤めており、日本の感覚を理解しているが、友人と話して
いるとギャップで頭がこんがらがるという。

CSRの基本として、企業理念や行動規範の根本的なところを世界で共有しそれを自国の慣習
で解釈して現地で浸透することを推奨している。これに変わりはないが、単純に日本的な
やり方を進めようとすると逆に現地になじまず摩擦を生む。日本本社主導の均質化した経営
から、世界の社員とコミュニケーションをよくしていくグローバル・ダイバーシティ経営が
これからの日本企業の課題だ。

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