CSR倶楽部レポート
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CSR倶楽部レポート 第73号 2010年3月30日
「経営にイノベーションをもたらすダイバーシティ」
発行:(株)創コンサルティング
海野 みづえ ( info@sotech.co.jp )
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質問をひとつ。
ここはアメリカ。父と子が車にはねられて、別々に救急車で病院に運ばれた。
重傷の子供が運びこまれた病院で、担当だった外科医が施術しようとその
子供を見るなりいった。
「この子は私の息子なので、私は手術できない。」
(肉親であると別の医師が担当する。)
さて、この医師と子供の関係は?
続き>>http://www.sotech.co.jp/talk/vol53.html
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●ダイバーシティは経営戦略
今年もダイバーシティ経営の審査が行われ、先日その表彰式が行われた。
https://www.toyokeizai.net/ad/award/diversity2009/
今回は外資系企業の応募が増え、大賞のP&G以下外資系の受賞が特徴的だった。
審査の基準は、まず「企業理念やトップのコミットメントがあるか」である。
その評価として、ダイバーシティが経営戦略として認識されているかをみる。
今回受賞した外資系企業は、欧米の本社が戦略的な位置づけをしているモデル
企業ばかりだ。単に本社主導の体制を日本に持ち込んでいるだけでは評価しない
が、日本法人でも独自に取り組み過去何年にもわたって日本での定着をはかって
いるところが高スコアになった。
日本の企業にダイバーシティについて尋ねると、「いやうちはまだ・・」と
謙遜して答える人が多い。こういう方たちは、ダイバーシティを「整備して
おかなければならないもの」と考えているようだ。確かに人事関係の課題は、
何かと法規制への対応が多い。
例えばワーク・ライフ・バランス(WLB)。社員一人ひとりの仕事と生活を
尊重できる職場をつくるといった取り組みであり、整備としての一策だ。
しかし、市場や顧客、時代の流れが急速に多様化するなかで、企業がその
環境に迅速に対応するには自社内の人材も多様化することが経営上必要に
なっている。だから、ダイバーシティは経営戦略だといっているのだ。
この違いを知ることは、モノカルチャーでずっとうまくやってきた日本企業に
とって重要だ。ダイバーシティと聞くと女性管理職の登用くらいにしか考え
ないかもしれないが、同じオトコ同士でも「世代間の違い」が露見している
だろう。若手世代や考え方の違う人たちとうまくチームワークすることも、
ダイバーシティの範疇だ。
そんなわけで、「ダイバーシティって必要なんでしょうか?」といわれると、
「シャチョー、大丈夫ですか・・・」という気持ちになってしまう。余裕が
あるからダイバーシティを進めるのではなく、変化する環境に適応していく
ために様々な人材が集まれる会社になっていくことが必要なのだが。
質問を変えてみれば、もっとよくわかる。
「今の会社に、『変革』や『イノベーション』は必要ないのですか?」
NOという人はあまりいないだろう。やり方や発想に変化を加えて画期的な商品
開発をしなければ、社員の意識をポジティブにしなければ、といったことを
考えているはずだ。
表彰式のスピーチでP&Gの社長がいった言葉は明快だ。
「ダイバーシティは、イノベーションをもたらす。これは確実だ。」
あまり変化のない世の中ならば、会社の論理で通すことができ外部変化も
内部化できただろう。だが今の時代に生き残れるのは、「変化に打ち克てる」
会社ではなく「変化に適応できる」会社だ。カイシャの中を変えていかなければ
ならない。社内に多様な人材がいれば、結果イノベーションが生まれやすくなる。
●多国籍化でなくグローバル化を
ダイバーシティに距離を置きたがるのは、管理職以上の男性の傾向だ。自分が
今までやってきたことが否定されるように思えるのだろう。
いろいろな意見や立場の人間が回りにいると、まとめるのが大変だ。
だいたい細かいことまでいちいち説明することになれば、作業が非効率じゃ
ないか・・・。
そこでまた、別の質問をしてみる。
「アジアなど新興国での海外展開を今後もっと進めるのではないですか?」
多くがYES。新興市場の人種や文化は様々だ。そこを積極的に開拓していこう、
というのだ。進出先ではもちろん現地社員を採用し、そこでは女性の登用も必然
と答える。それならば、なぜダイバーシティに関心ないのか?
「それは海外の話ですから」などといっていては、現地社員とのギャップが広がる。
日本にいながらも、ダイバーシティを意識しておくことではないか。世界に広がる
社員構成の縮図が本社機能にみられなければ、現地社員が本社に来た時に「何と
同質経営の会社なんだろう」と幻滅していくだろう。多国籍化が進んでいても、
国際化/グローバル化していない。
●ダイバーシティだけでなくインクルージョンへ
さらに、形だけ人材構成ができていればいいともいえない。最近では「ダイバー
シティ&インクルージョン(包含)」といい、様々な人材が確実に業務や事業
活動に組み込まれそれぞれが成果をあげていることが大事、という考えが主流だ。
たとえば障害者雇用。法定雇用率を満たすために障害者を雇用しているが、社内に
いるだけでロクに仕事をやらせてないという実態では意味がない。
グローバルで活躍する企業に、ダイバーシティは避けて通れない。それに異を唱える
ならば、それなりの説明を見える形でしていかなければならないが、日本企業は
それが苦手だ。しかし、そんな態度でエクスキューズを繰り返していては信頼され
ないところまで来ている。
先日のトヨタ自動車のリコール事件に絡み、英エコノミスト誌はコーポレート・
ガバナンスに問題があるとしてダイバーシティについて言及している。
「トヨタの取締役会の女性比率はクウェート(イスラム圏)より低い。」
「取締役会にドイツ人の女性ボス、アメリカの元議員、香港の弁護士が入って
いたら、対応が違っていただろう。」
単純に取締役会に外部の人材が入りさえすればよいのではないが、世界の市場を
相手に展開している以上その配慮が必要だということが今回露見した。社外の監視・
アドバイス機能を社内のマネジメントにうまく取り入れ、ダイバーシティに取り
組んでいることを示すことも一策なのだと思う。
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