CSR倶楽部レポート
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CSR倶楽部レポート 第72号 2010年3月9日
「自社“らしさ”を押し出したCSRブランディング」
発行:(株)創コンサルティング
海野 みづえ ( info@sotech.co.jp )
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2月は試験シーズン。講師をやっている東大大学院の授業を終えました。この講座は
留学生向けの英語コースなので私だけではとてもやりきれず、バイリンガル3人に
協力してもらっています。”Business and finance for sustainable development”
として年度の後半の1講座を実施。分担しても各自3回授業をしなければならない
ので、結構プレッシャーです。
続き>>http://www.sotech.co.jp/talk/vol52.html
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●“らしさ”軸でCSRにおもしろ味を
事業を切り口とした特長ある戦略的CSRを説明するにあたって、これまで私はCSRの
社会軸に事業軸を加えた2次元で考えていた。これはこれでいいのだが、どうも
何か足りない・・。経営戦略論にはよくても、何か臨場感というか実践や現場
でのおもしろ味がないのだ。
そこで気づかされたのが、各社の“らしさ”を加えることだ。事業につながって
いるからこそ、自社の存在を強く意識したらいい。ということで、第3の次元と
して“らしさ”軸を取り込んでみた。これが社内外に意識されれば、独特な位置
を確立できる。つまりCSRをブランドとして特長づけることであり、この点から
展開する様々な活動は「CSRブランディング」といえる。
“らしさ”とは、その会社が最も大事にする価値観であり、比較的シンプルに
言い表せることが大事だ。これは要するに企業理念であり、各社がもっている
「○○ウェイ」にいきつく。それを額に飾っておくだけでなく、社員が日ごろの
事業活動でどう実践できるかだ。つまり社員の意識づけとその結果の日常での
行動がCSRブランディングだ。
何も新しいことをいっているのではない。これまでCSRをPDCAサイクルで展開
することを推奨しており、これはつまりCSRの社員への浸透だ。しかし、「浸透」
といってしまうとお仕着せ感があり、厄介な「・・・ねばならない」研修が増えた
にすぎなくなってしまう。それに、私が言うと何やら「あるべき論」に収まって
しまいそうだし・・・。
そんな時、“らしさ”を出してやる気を持たせる積極思考の視点でいけたら、
ずいぶんと明るいCSRになるなぁと漠然と感じたものがこの発想につながった。
軸を1本を加えるなぞ単純すぎて何の発明でもないのだが、私にとってはこれで
霧が晴れていくような気持ち。
●モノを売るのではなく「価値を提供」する
これは特にサービス業界やマーケティング活動で生きてきそうだ。製造業では
どうしても商品がまず先に出てくるので、機会面に明かりをあてるといっても
安全性や品質に関心がいく。リスク対応が不十分では、信頼が瓦解する怖れに
慎重にならざるを得ない。私もこれまでメーカーのものづくり発想から抜けら
れず、なかなかサービスでのCSRに関心が向かなかったことがある。
一方で、売る「モノ」がないサービス業では、サービスという「無形の」商品が
お客さんとの接点だ。そうなった時、顧客は何を見てこの会社に信頼ができると
考えるだろうか。接点となる社員の態度や見識ではないか。サービス会社こそ、
会社としてのブランドを意識したCSRが活用できる。CSR実践についての新たな
展開が拓けた気がする。
サービス業を強調したが、このことはメーカーでも十分いえる。今や製品や
技術の差は格段に小さくなっている。どこの製品でも使い勝手や機能に問題は
ないのだ。では企業はどうしたらいいのか。もっともっと機能を盛り込めばいい
のか?
いい加減、有効期限をどんどん縮めた超短期ライフサイクルの製品開発はやめに
しよう。企業は「モノを売る」のではなくて「価値を提供」していく、という
姿勢に切り替えることだ。誰にとっての何の価値か?お客さまや地域の価値観・
視点を軸とし、地球環境を考えた長期での価値ではないか。
先日ある会社の社長さんが、彼なりのCSRの解釈を社員に話しているところが
おもしろかった。曰く、CSRとは「事業活動のなかで社会の要求とどう整合を
とるか」なのだ、と。その場にいる社員一同、多いに納得されていてこの会社の
今後のCSR展開が楽しみだな、と思ったところだ。
世の中の要求に何でもかんでも応えられるわけではないが、そこに気付かなけ
ればステークホルダーからそっぽを向かれる。「そして誰もいなくなった」
状態にならないように、社会の‘期待’に応え続けることで、「信頼感」が
醸成される。
●社員がカギ: B to E to C
では「価値」はどうやって伝えられるのか。それは、もう社員というヒトを
通じてしかないだろう。広告やロゴデザインで会社のブランド訴求ができる
時代ではない。コーポレートブランドを認知してもらうには、広告は本質的な
手段ではなく社員一人ひとりの行動にかかってくる。B to Cの間に社員がいる、
つまりB to E to Cとして中間で伝達するE(社員)の役割がブランディングに
大きく寄与する。
社員をCSRのインターナルブランディング活動としてとらえると、社内浸透とは
異なった新鮮さが感じられるでしょう。社内活性化のプログラムとして、
以下のようなメリットが期待できる。
・「志」や「価値観」の共有 → 組織の力強い求心力に
・「社会に対する志と責任感・使命感=CSRマインド」の啓発・醸成
・‘一人ひとりが、自社ブランド’という自覚
・誇りを持って、イキイキと働ける組織風土づくり
私の話は形式的になりがちだが、このプログラムは実際にCSRブランディングを
展開して成果をあげている実例に基づいている。これを標準化することで他社
でも大いに活用できるだろう。概念の整理とともに、そのようなCSRブラン
ディングの実践例を増やしていきたいと思っている。
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