CSR倶楽部レポート

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   CSR倶楽部レポート 第71号    2010年1月22日
     「若者の活力が生かされるビジョンを」

     発行:(株)創コンサルティング
        海野 みづえ ( info@sotech.co.jp )

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日本航空がついに破綻です。「大きすぎて潰せない」といわれ再建を先延ばしに
してきたツケにようやく終止符が。
日航のもたれあい、放漫経営については多く報じられているのでここで書くまで
もありませんが、私が指摘したいのはやはり「透明性」です。公的資金によって
支援する以上ステークホルダーも広範囲にわたり、そこに対して会社の実態と
これからの方策がオープンにされることが必然ですから。
続き>>http://www.sotech.co.jp/talk/vol48.html

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●若い世代に活力がなくなったのか
2010年は区切りがいいのか、今後の中期ビジョンを考えようという動きがよく
みられる。デフレ、不景気と日本を取り巻く状況は暗い話題ばかりだが、あえて
明るい将来への処方を考えてみよう。

今の日本は、地域・社会での生活者の高齢化だけでなく産業界、政界どれを
とっても高齢化が進みすぎている。経済と政治の主舞台が世代交代活性化
しなければ、本気になって将来を描けないものだ。健康を理由に辞任するほど
のおじいちゃましか適任大臣がいないなんて、恥ずかしいではないか。10年後、
20年後の主役になっている今の若い世代に希望を持ってもらえることだ。

若い世代に活力がなくなってしまったのか・・・?
よどんだ空気が蔓延するものの、3つの神話(仮説)を反証しながら次世代
への期待の芽をみつけていきたい。

●神話1: 大企業の経営は経験を積んだ熟年者でなければ務まらない
日本企業が成果主義を取りいれるようになったとはいえ、年功序列の人事は
依然として主流だ。まして大企業の経営トップとなると、多少の年齢幅は
あっても劇的な抜擢はなかなか起こっていない。金融危機後の緊急建て直し
時にこぞって社長が交代した際には、若返りどころか高齢化が進んだ傾向
がある。「基本に戻れ」はわかるが、では若手層が気を抜いていたという
のだろうか。

戦後の日本経済を引っ張ってきた世代のパワーで危機を乗り切るという
構図だろう。しかし、その時代と今とでは事業環境が全く異なる。作れば
売れる時代の成功体験は、そのまま現在の救世主にはならない。今
成功している経営は、過去のやり方にこだわらずに常に新たなモデルに
挑み続けているスタイルだ。伝統的な基幹業種にも、もっと若手・中堅層に
経営を任せてみる思い切りが必要だ。

反例は、日航の高齢化した経営陣による肥大化した役員会。めまぐるしく
変化する世界の政治・経済環境に対応しなければ、という意識が生まれて
こない風土だったのだろう。同じような企業は、まだ多くあるだろう。そんな
会社は、すぐに若返りのカルチャーをどうつくるかを考えてほしい。

若手経営層の活躍は、新興国で顕著だ。活況のビジネス、その場ですぐ
に担当者の意思決定がくだされていく。日本企業は、現地法人の責任者
となるとそれなりの年齢になってしまい、しかも本社の承認などで即決
できずに交渉が不釣合いに終わるという話をよく聞く。バングラデシュの
縫製会社を訪問した時も、担当の役員は恐らく30歳代の好青年。
ユニクロとの合弁工場の件で忙しくしており、柳井さんとも直接話して
進めるとてもアクティブな様子が伝わってきた。ユニクロが伸び続けて
いる理由は日本の中にあるのではなく、世界最速テンポのパートナーを
取り込んでいるからだろう。

新興国の成長がめざましい現在のグローバル化した経済のもとでは、
先進国主導の経済下にあった企業経営の経験はむしろ弊害になると
すらいえる。新興国のスピードと渡りあい協調する新たなエネルギーは、
若手の人材のほうが向いているといえるだろう。

そこで、若者の活力が生かされる。

●神話2: 今の若い世代には開拓・チャレンジ精神がない
学生の就職活動の調査結果を見てみると、1位が「人の役に立てる仕事
ができる」でしかも過去3年ポイントが上がり続けている。CSRの見地から
いえば、なかなかいい傾向だ。一方で「経験・専門知識を身につけられる」が
大きく下がっている。これを見て「若者に意欲がなくなっている」という人々が
いそうだ。

しかし、若者に意欲がないなどとは思えない。
先日JICAの開催するBOPビジネスセミナーに参加したが、国連大学の
会議場が満席になるほどの盛況だった。企業関係者ばかりでなくNGOや
学生など若い層の参加者が多く、質問も若手層が積極的だったことが
印象的だ。20代、30代の人たちは企業への就職だけがキャリアの道
なのではなく、組織にとらわれることなく社会や世界の関わりのなかで
自分の立ち位置をつくりいのだろう、と感じた。

また先の就活調査では「海外で働ける可能性が高い」が年々ポイントを
下げている。にもかかわらず、途上国をテーマにしたこのセミナーへの
関心が高い。ここでも、海外志向がなくなったのではなく、カイシャ枠の
範囲で営業数字を挙げるための海外渡航には関心ないということなの
ではと解釈した。少なくともセミナーの参加者からは、途上国の実状に
もの非常な好奇心を持ってみている空気が感じられた。途上国での活動
こそ、開拓意欲が求められる。チャレンジ精神がないなどとは思えない。

神話1に関連するが、上層部が古い中高年だと思い切って途上国の
市場開拓をしようという雰囲気にならないのだろう。このような新興市場
は、20代、30代の人たちに任せるのがいいともいえる。チャレンジの場
が得られれば、開拓の意欲と行動に火がつくだろう。

やはりここで、若者の活力が生かされる。

●神話3: 途上国では生活ニーズが満たされればよく、高度な技術は
     必要としない
途上国で貧困改善となると、寄付や慈善行為の延長と考えがちだ。
CSRもその一環とされることが多いのだが、戦略的CSRとなれば
事業戦略として位置づけられる。日本人のマインドからして、CSRから
入ってビジネスにつなげる、あるいはビジネスを展開するなかで地域や
現地住民にベネフィットをもたらす、ことが自然に受け入れられる。
CSRを別モノと切り離すことではなく、むしろ日本企業の特徴、
強みとして事業に組み込んだらいい。

そこで、BOPビジネス。
JICAのセミナーでは、高度なインターネット技術がバングラデシュや
アフリカの貧困地域でこそ有用である実例が発表された。日本企業は、
日本で開発された製品やテクノロジーを世界に売りまくという戦略を
ずっととってきた。そこでは、ユーザの視点よりも技術そのものの高度
さが強調されている。だが結果、オーバースペックな製品が蔓延する
ことになり、現地の利用者の要望や生活スタイルにそぐわなく
なっている現状に直面している。

これを解決するには、現地のニーズにあった製品を開発することだ。
すると、途上国ではプリミティブなローテク製品しか普及しないと
考えるのが一般的だろう。しかし、現実はそうじゃないのだ。裸足で
生活している土壁の家に、パラボラアンテナがついている光景は
めずらしくない。栄養が十分でない低所得生活のなかで、携帯電話
は一般に普及しておりなくてはならない道具になっている。技術開発
のおかげで、貧しい地域こそ最新技術の恩恵を受けるケースが
多いのだ。技術立国日本は、それをサステナブルな方法で提供する
という命題を掲げればかなりの成果が出せるのではないか。

そんなことを考えると、神話1、2で出てきたような途上国に関心を
もち人の役に立てる仕事をしたいという若者が実はこの担い手に
なるといえる。このような若者は、新しい手法や違った環境から
発想できる革新的な技術を見出し製品化にこぎつけるという素晴
らしいエネルギーを発揮してくれるに違いない。

是非とも、若者の活力を生かさなければならない。

2010年のスタートにあたり、もう若くもないワタシは自分の活動の
なかで若い方たちが活躍できる場や環境をつくることをも考えて
いきたいと思ってます。

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        キヤノンマーケティングジャパン(株) CSR推進本部
                       主席 細田悦弘氏 
        中外製薬(株) 社会責任推進部課長 加藤正人氏
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http://www.jma2-jp.org/seminars/seminar_detail/218

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