CSR倶楽部レポート
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CSR倶楽部レポート 第69号 2009年11月24日
「CSR報告の世界動向2009」
発行:(株)創コンサルティング
海野 みづえ ( info@sotech.co.jp )
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先日、八ヶ岳の中腹の山小屋でソーラーパネルを設置しているのを見かけました。
いまや太陽光発電は珍しくないですが、「山小屋で」というのがポイントです。
続き>>http://www.sotech.co.jp/talk/vol45.html
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●アニュアル・レポートとの関係
海外のCSR報告の傾向を見ていると、年々アニュアル・レポートでの情報開示
との関連が強くなっている。日本企業の場合はCSR報告のマッチング先は会社案内
なのだが、ヨーロッパでは財務報告のなかに非財務情報を含める枠組みが2003年
に制定されていることから、違いがはっきりしている。そもそも会社案内という
冊子があまりなく、それがアニュアル・レポート(AR)であるという背景も異なる。
EU指令に基づき各国で法制度化され実際に報告が見られるようになってきたので、
主要企業の傾向がいろいろとわかるようになってきた。
アニュアル・レポートとCSR報告は、いずれは一体化、統合化されるのだろうか?
統合レポートが多く見られる国は、フランス、ノルウェー、南アフリカなどだ。
南アは上場基準に非財務開示を要請しており、その流れからだ。しかし多いと
いっても統合レポートがマジョリティというほどではなく、むしろCSR報告
(サステナビリティ報告などを含む)を別途発行している会社の方が多い。
簡単にYes/Noでは割り切れない。両方発行の企業であっても、ARでのCSR記述
パートとCSR報告の記載内容は目的(読者)をもってそれぞれの掲載を設計して
いることが読み取れる。つまり、
・アニュアル・レポート→投資家(または経済的ステークホルダー)
・CSR報告→社会的ステークホルダー
を意識して、ARに掲載する以上社会・環境情報であっても読者の関心はCSR報告
とは異なるという点が重要だ。一方CSR報告はステークホルダーからの関心が
強い企業やよき企業市民を訴えたい企業が、社会的な見地に向けて発行する。
両者の違いを踏まえた開示なのであって、CSR報告のサマリーをARの事業報告
に続けるといった「合体化」ではない。こういう会社の場合CSR報告は数十
ページに及び、ウェブでの開示も詳細でかなり力を入れていることがわかる。
統合レポートを選ぶ会社には、ある傾向がみられるようだ。ひとつは製薬業
などのヘルスケア会社で、そもそもの事業が生命に関わることからサステナ
ビリティ、CSRと強い関連のある場合だ。フィリップスはこれまでサステナ
ビリティ報告を発行していたが、今年からAR統合版に切り替えた。事業の柱
がエレクトロニクスよりもヘルスケアに移り、途上国への市場拡大にも重点
を置いていることがよく表れている。
●サステナビリティ=事業戦略のコア
そして本年は、2008年金融危機後の経営にどのようなインパクトがあり、
今後どう責任を果たしつつ事業戦略を立て直していくか、という点が
注目だ。世界のリーダー企業は、「事業環境が厳しくなっていますが、
弊社はCSRを果たすべき活動として続けていきます」といった総花的な
姿勢ではない。
GEはCSR報告のタイトルを「果たすべき責任のリセット: Resetting
Responsibilities」としており、これまでの路線ではなく新たな方向に切り
替えていることが伝わってくる。具体的には、金融市場へのリスク対応、新興国
の成長市場およびエネルギー&気候変動への積極投資、という3テーマをあげて
いる。いずれも責任といいつつ、事業戦略のなかでの力の入れどころの話である。
フィリップスがARに統合したのも、ヘルスケアを事業の柱とする、つまりサステナ
ビリティが事業の補完やよき市民といった脇役ではなく、事業戦略のコアになって
いることの表れだ。日本企業は環境技術で先端を行っているといわれてきたが、
「これだけ技術があります」と個別の先端性をいうばかりで、これでは投資家に
向けた収益への道筋は説明できていない。それが今後10年間の事業にどう組み
込まれ、どのセグメントどの地域市場で収益を見込んでいるのかというグランド
ビジョンが欠けているのだ。
「サステナビリティ」を社会貢献として陰徳の美の延長においていては、欧米
企業からどんどん見劣りするばかりだ。戦略である以上、事業での位置づけを
もっと端的に示していくことが必要なのだ。
●新興国の報告が増加
さらに、CSRを競う相手は欧米企業ばかりではなくなっている。ブラジル、韓国
など、新興国の企業がサステナビリティ分野でも明確な戦略と開示姿勢を出し
ている。こうした企業は母国語が英語以外なので、日本企業と同じように言語
の壁があるようで英語のウェブサイトを見る限りではまだ統一して発信されて
はいない。しかし、CSRやサステナビリティの様々な国際会議でのプレゼンスは
非常に顕著だ。グローバルに訴えるサステナビリティ戦略やCSR報告を発行する
のもすぐだろう。
そして、世界を席巻しつつある中国企業。今はまだCSR報告も緒に就いたばかり
だが、今後この分野でも海外を意識した情報開示が進むことは間違いないだろう。
早くからCSR開示に取り組んできた日本だが、その次のステージが見えないでいる。
サステナビリティは間違いなく21世紀の事業戦略のコアなのだ。その活動を投資家
やステークホルダーが評価するように効果的、効率的にコミュニケーションして
いくことにより重点をおく必要がある。
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