CSR倶楽部レポート

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   CSR倶楽部レポート 第66号    2009年8月19日
     「アフリカ: 地域発展への道すじ」

     発行:(株)創コンサルティング
        海野 みづえ ( info@sotech.co.jp )

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途上国問題への関心から、バングラデシュの次はアフリカということでザンビア
に行って参りました。
「ところでザンビアってどこ?」
私自身、アフリカのどこなのかはっきり知らないところから始まりです。地球儀
を回してみて、南部アフリカの真ん中あたりであることを確認。アフリカというと
「とにかく暑い」を連想しますが、南半球ですから今は冬で朝晩はかなり冷え込み
ました。
続き>>http://www.sotech.co.jp/talk/vol39.html

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●最貧国で産業をどう創るか
ザンビアのほんの一部を見ただけでアフリカがわかったというわけではないが、
「日本人にはイメージでしか知られていないアフリカ」の典型例といえそうなこと
を探ってみた。

アフリカといえば「貧困」、「難民」、「内紛」、「政情不安定」・・・。
ザンビアに限っていうと、政治は比較的安定しており内部の紛争もない落ち着いた
国だ。街中で物乞いする人も見かけない。だが農村部の貧困問題は深刻だ。

植民地支配から独立して政治が安定したら、次にどうやって経済レベルを発展
させるか。

ザンビアの主要産業というと、銅の採掘業と農業。どちらも「そこ」にある自然に
依存するもので、非常に初期的な段階だ。国家の産業として経済の柱になるには、
「そこから得られるもの」にどう付加価値をつけていくかにある。農作物にしても、
大地に育つものを収穫してそのまま売るのではなく、人の手を加えた効率的な農法
を展開したり、収穫農産物に加工プロセスを施して製品をつくるなどして価値が
つくことで農「業」となる。

ザンビアの産業がそこまで発展しているケースはまだわずかだ。ルサカ郊外には
散水機を設置した広大な牧草地があり、家畜の飼育を大規模に行っている。
 「ザンビアの牛肉はおいしいですよ。」
現地の方が自慢する”ZAMBEEF”はこういった大農場の産物だろう。しかし牧畜地帯
はすぐ終わり、その先には乾燥した大地が延々と広がる。砂漠ではないが、ともかく
水が足りない。正確に言うと、水はあるがインフラができていないので十分に行き
渡っていない。

●一部の優秀なトップ周辺の人材が不足
今回私たちがお会いしたのは政府の高官などこの国のトップレベルの方々で、こう
した立場の人たちは非常に優秀だ。海外留学があり、話の進め方もタイムリーで要点
を的確にとらえ意思決定も素早い。権力がこうした一部のエリートに集中し、途上国
に特有の賄賂など汚職が発生するという側面も生みやすいが、この人たちがうまく
ひっぱれば国の方向が定まる。

問題はその下、中間~上級管理層の人材が育っていないことだ。「トピックは
わかった、それでは具体的に・・・」となると、動きがとたんに鈍くなるようだ。
さらにもっとボトムの地域レベル、地方自治体レベルとなるともうまったく
お手上げ・・となる。貧しい農村の問題をどう解消するといった地域現場の話題と
なると「自分たちで何とかしよう」という意識がほとんど見えず、地域発展の道のり
は簡単ではないことが伺える。

たとえば、高度なインターネット技術をアフリカの大学に入れ先進国とつなごう、
という話題性のある話には目を輝かせる。ところが、「インターネットは農村との
情報格差に役立つから、地方にこそ普及させることが必要では」と質問するとさっと
顔を曇らせる。「自分の仕事じゃない」らしい。

長期的な発展は、海外からの投資資金を元にして自国でどれだけ経済を振興する
自立機構がつくれるかにある。最近は中国がアフリカの鉱物資源を目当てに貪欲に
入り込んでおり、あちこちで中国人のグループを見かけた。外部の資本や技術の導入
だけでサステナブルな経済をつくれるのか。誰かに頼ろうとする姿勢を根本的に
正さなければ、途上国の発展はないだろう。

●地域組織や拠点づくりが必要
そこで貧困問題の解消のために、NGOや市民組織、民間機関といった地元
イニシアティブの運営が新たな方策として期待される。ザンビアにもそのような
活動がないわけではない。今回訪問したカウンダ財団はエイズ感染者の対策を
施すNGOだ。全国6か所に診療所ももっており、誰でも無料で治療を受けられる。
地域自治体などと連携し公的機関がうまく支援すればもっと全国に広げられる
だろうが、そこまでの体系的なパートナーシップができていないようだった。
バングラデシュで活動するBRACのような動きが、この国でもほしい。

そんななか、今回視察した日本のJICAが試みているPaViDIAはなかなか有用なの
ではと思った。農村のモデルとして、井戸、穀物の保存庫、ソーラー発電など
地域の農民が共同で使える施設や指導の拠点を全国につくるというものだ。
手作りモードの基本施設ではあるが、現在全国で170箇所あるという。日本式の
現場レベルでの技術指導や農家教育の活動は、大変素晴らしいと思った。

また途上国の農村を訪れると、これからのエネルギー供給は化石燃料による集中型
発電ではなく、再生可能エネルギーこそ適切であることがよくわかる。環境に
やさしいということよりも、地域ごとに分散して発電できる手軽さと設備コストの
安さが鍵で利用価値が大きい。


それにしても、今回訪問した現地に派遣されている海外協力隊員には女性が半分
以上いて、なかなかたくましかった。視察団で参加した学生チームも同じような
比率なのに、企業人チームとなると女性は私ひとりとなり(いつものことだが)、
日本の企業社会のモノカルチャー性をまた思い知らされた。若い世代にはアフリカ
でチャレンジしたい人材がたくさんいるので、私はこういう人たちに期待したい。

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